本日のオススメ。

 

 「面白い映画がある」といわれ、私は警戒しました。 ヤツは色々な映画を見てその中で面白かったものを勧めてくるのですが、ヤツの楽しみ方には二通りの楽しみ方があるのです。
 即ち、一般的な意味で面白いか、斜めから見て面白いか。
 「面白い」と言うヤツに連れて行かれて見た「アルマゲドン」で、まぁ私が監督の思惑通りの場面で感動している横で、「あんな簡単に崩壊する人工衛星とかアリエネーよね!wwwwwwww」とゲタゲタ笑っていた事はいまだに記憶に深く刻み付けられています(ノ∀`)
 参考→ http://d.hatena.ne.jp/wang2zhonghua/20050108

 とまぁ、新年早々身内をネタにするのはコレくらいにして本題に戻りますと、ヤツは続けて「コレ真っ当に面白いから」と言いました。どうやら今回は一般的な意味のようです。
 というわけでこの「キングダム・オブ・ヘブン」、どうやら史実を基にした映画のようです。ざっとググって見たのですが、残念ながらこの映画のほうばっかりヒットするので裏取りは断念(´・ω・`) その筋には詳しくない自分でもなまえに聞き覚えのある監督は、過去にも「グラディエーター」など史実を元にスペクタクル映画を撮っているとか。
 時は十字軍遠征第二次と第三次の間。妻と子を失った鍛冶屋のバリアンは、訪れた騎士ゴッドフリーから自分が父だと告げられ、自分と妻の罪*1を償うため父に従い聖地エルサレムに向かいます。そして父より騎士の地位を継いだバリアンは、ついにイスラムとの戦端の開かれたかの聖地にて、民衆を守って戦いの指揮を取り始めます……。
 この前半の部分は、監督のインタビューによると完全にフィクションだそうで。「真っ当に面白い」と評していたハズのヤツも「村の鍛冶屋が、実は勇者の血を引いて旅立つんだよ! ホラ、ここが『はがねのつるぎ を てにいれた!』でさ! そのあと強制イベントで、ここでパラディンにクラスチェンジ! RPGみたいだよねwwwwwwww」と楽しそうなこと楽しそうなこと
 まぁ同感でしたけどwwwwwww ドラクエだのFFだのを遊んで育っていまだに足を洗っていないその筋のモノにはたまらない場面が続きます。 ただ監督のインタビューで判明したのですが、この時代はまだ鎖帷子の時代で、いわゆる騎士と言われて真っ先に思い浮かべるガチガチのプレートメイルはまだ存在していなかったそうで。その点はやや残念ですが、「あと50年遅く時代を設定していたら……ここだけは設定を誤魔化そうかと悩んだ」という監督のコメントが物書きの端くれとして非常に共感を覚えました。
 さて、パラディンにクラスチェンジしていくつかイベントをこなしたあとは、とうとう本舞台エルサレムに到着です。キリスト教イスラム教とが共存するこのへんは、異文化との触れ合いとか、それまでとは全然雰囲気の違う新しい街にたどり着いたときのワクワク感がありますね。そしてそこから、しばし政治・建国&恋愛シミュレーションです。危ういバランスの上に成り立つ平和は急進派によって脅かされ、それを抑える穏健派の王は病で損なわれた顔を銀仮面で隠し、その信任を得た主人公は民を守るために街を任されその発展に努め、急進派の先鋒に嫁いでいる王の妹との道ならぬロマンスがあり……いやはや、この監督はわかってらっしゃるw
 さてそこから、今度はウォーシミュレーション。急進派の暴走によって開かれた戦端も、無理な砂漠の行軍を狙われた急進派は壊滅、残った主人公は街に立てこもり押し寄せるイスラム軍と対峙! 圧倒的なまでの戦力差を誇る敵軍に対し、主人公達はありとあらゆる手段を尽くして篭城します。唯一つ、騎士の誓いに背かないために……!
 二時間半に及ぶ大作でしたが、それを感じさせず最後まで引き込まれた映画でした。ファンタジーRPGで遊んだときめきを覚えている方なら、是非必見です。




 ……それでですね、それを見終わったらヤツは「さて、それじゃー今度は欝地雷映画行こうかー!wwwww」ってhttp://d.hatena.ne.jp/wang2zhonghua/20050219#p1を取り出してですね、「ホラホラ、お母さんがすっげー怖いの! 蛇とか飼ってて息子に延々とお父さんの悪口吹き込んでさー、それでホモになってこの男がマジで恋人で、ほら!ココとかなんで色とりどりの美女じゃなくて小姓に目が離せなくなってさー!(中略)うん、ここで終わってたらまだマシなんだけどさー、このあとさらに欝展開で(ry」とそれはそれは楽しそうにですね……。

*1:奥さんは子を失った悲しみから自ら命を絶ってて、キリスト教では自殺は重罪なのです