本日のオススメ。

 待ち望んだ第2巻〜。ちなみに2巻ではありますが、別の出版社で出た「コーセルテルの竜術士 1 (クリムゾンコミックス)」(全四巻)からダイレクトに繋がってますので、通算では6巻になります。
 物語の舞台はタイトルにもなっているコーセルテル、いわゆる中世ファンタジー的世界観で、人間と竜、それに精霊達や亜人達が仲良く暮らしてる世界です。
 で、この話の独特な点。
 そのいち。戦争とか闘いとかそーゆー血なまぐさい話はほぼ出てきません。(背景世界の説明としてちょろっと語られるくらい)
 そのに。物語の根幹になる「竜術」、これは竜の力を借りて行う術なのだが、そのように術士に力を使われる事で竜も自分の力の使い方を覚えていくという、持ちつ持たれつの関係である。つまり、「竜術」というのは、幼い未熟な竜たちの教育に役立てられるのである。
 そのさん。勢い、竜術士の仕事というのは子守りになってくる。
 そのよん。この物語は、様々の属性の竜たちに通じる素質と竜術士としての得がたい才能*1を持っていたため、7つの竜族全てから子供託された主人公マシェルの、ほのぼの子育て物語なのですw
 このシリーズは疲れたときに読むと効きます。なにせキャラ・世界・物語全体を通して雰囲気がほんわかとしていて和むんですよね。
 一話一話のお話も、もちろんファンタジー風味の味付けはされているものの、本質としては例えば「一番小さくて甘えん坊だった子が、自分より小さい子をみていいお兄ちゃんになるんだ!と頑張る話」だとか、「いたずらが過ぎて他の人に迷惑をかけてしまった子が、一生懸命になってそのお詫びをする話」だとか、「些細な事でケンカしちゃった二人が仲直りするまでの話」だとか、etcetc……とにかく、にぎやかな子竜たちとそれを見守るマシェルの、ほのぼのとした日常風景は見ていて楽しいです。
 そんな彼ら以外にも、他の竜術士たちやその育ててる子竜たちをはじめとして、たくさんのキャラクターたちが出演しますが、その一人一人の個性が際立っていて、本当ににぎやかほのぼのという雰囲気です。
 「大人が読む童話」といった雰囲気を楽しみたい方は、ぜひどうぞ。

*1:理想的な保父さん資質………w