本日のオススメ。

彼女はミサイル (MF文庫J)

彼女はミサイル (MF文庫J)

 ちょっと古めの本です。
 初めてタイトルを見たとき、「ヒロインはミサイルなのか。みんな色々考えるなぁ」と素で思いました。
 ……いやだってラノベ界コミック界、精霊幽霊吸血鬼、宇宙人に神様に天使に悪魔に、パソコン戦艦ロボット空き缶にいたるまであるとあらゆるヒロインいますもん。
 榊一郎の人気シリーズ「まじしゃんず・あかでみぃ」の短編集では、人口知能な精霊が宇宙ロケットに恋するお話とかだってありましたし!(注:比喩表現は一切含まれておりません)
 ミサイルがヒロインだっていいじゃないか!
 いやこのお話においては、「ミサイルのよーな活発なヒロイン」とゆー、比喩表現でしたが。
 言われて見れば当然な比喩表現ということをチラとも考えなかったあたり、私もかなり毒されてます。


 主人公の西島まことは、気の弱い普通の高校一年生。
 幼馴染の活発すぎる少女、安良城あきらに振り回されっぱなし。
 そんな彼女は夏になるとその活性が一段と高まり、日本縦断始めたりドイツに旅立ったり空手始めたり……そして今年は、ネットアイドルになると言い出した。
 当然のごとくそれに付き合わされるまことは、とりあえず専用サーバまで貸与してくれるというサイトに登録する。
 そして、サーバーが彼らの家にやってきた。
 ……自分の足で歩いて、関西弁で冗談を言いながら。


 そんなふうに始まるこのお話、とにかく展開がひたすら斜め上に行きますw
 最初読んで「ああ、これは幼馴染に振り回される少年のお話だな」と思って読んでると、関西弁でしゃべる自力歩行可能なサーバーがその予想をぶち壊す。
 とにかくサーバーが届いて、上位ランキングに食い込むべくアクセス数を増やそうとあれやこれやしでかす彼らの姿に「ネットアイドルとしての奮戦記なのか」と思ってると、「●KA☆YO VS あきら○ (7分32秒、ストレートパンチ)」の一文に予想をぶち壊される。
 いやはや、こんなにも先の読めないお話は、茅田砂胡の「[rakuten:ubook:10179214:title]」以来でした。

 全三巻で、続刊は残念ながら初見ほどのインパクトにはかけましたが、彼らの騒がしい日常に興味を持った方はどうぞ。


 ま、そんなカンジです。