本日のオススメ:詰め合わせ。

 今日は少し多めに。

UFOおねぇさん

UFOおねぇさん

知る人ぞ知る……というには大分メジャーになった気もしますが、「妄想戦士ヤマモト」を代表とする奇作家小野寺浩二の「UFOおねぇさん」。
 そーいえば、わりと古くからこの人のお話は読んでるけど、コミックス買ったのは初めてやも知れぬ。
 主人公である「陸」は、近所のおねぇさんの「そら」が気になる。いや、思春期的な意味合いでの「気になる」もありますが、それ以上にこのそらが、もう周りが引きまくるくらいのUFOオタクで……と、のっけから相変わらずの小野寺節全開の濃い展開で始まるこのお話、中だるみ一切なしのテンションで読者がついてれこれるかどーかもお構いなしにドンドンとお話が進みますw
 それでいて、しっかり「ボーイ・ミーツ・ガール」も書けていて、小野寺浩二侮りがたし。


人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

 お次はこちら、田中ロミオの「[rakuten:book:12051453:title]」。
 なにやらファンシーな表紙とそれにそぐわぬ奇妙なタイトルについつい手が伸びました。
 後書きを見ると、「『棹竹屋はなぜ潰れないか』のような、つい中身を見たくなるタイトルにして見ました」とありました。やーらーれーたー!
 さて内容はといいますと。
 未来の世界、人類は衰退して文明も維持できず、こりゃそのうち滅ぶなーってな危機ではない緩やかーな滅亡に瀕してる中、人類に代わって地球を席巻したのは……妖精さんたちでした。
 妖精といっても、羽の生えた女の子タイプではなく、コロボックリとかブラウニーみたいな、三角帽子の無邪気な方。
 主人公は、「学舎」を卒業し、故郷に帰って祖父と同じく彼らとの調整役の仕事に付いた少女(ちなみに名前は出てきません)。そんな主人公と妖精たちの交流を描いたお話……
 っていうと、なんだかハートフルなお話を想像するでしょう?!

  違 い ま し た 。


 や、ほのぼのはほのぼのなんですが、それだけではなくて、なんといいますか、ほのぼのとシュールとギャグを足して、ハンマーで割って「無選別なのでお得です」みたいな、なにやら得も言われぬ雰囲気に満ちたお話なのです!
 何しろこの妖精さんたちときたら、人類には近い不能な文明と知識を持ちながら、とにかく場当たり的に楽しいことに群がり、飽きたら去っていくというつかみ所のなさ。
 一晩で「ぼくのかんがえたSFなまち」を築きあげたかと思えば、今度は見渡す限りのサバンナの平原をつくって狩猟生活を始め、かと思えばゴムとダンボールで自立生命体を生み出し……。
 そんな彼らとの調整役たる主人公も、別に使命感に燃えてるわけではなく「なんだか畑仕事よりは楽そーだから」くらいの緩い勢いでなあなあと妖精さんたちとつきあっていて……。
 なんというか、クセになるお話です。
 とうとう登場しなかった病欠の同僚とか、こまめに名前の出る主人公の学舎時代の友人とか、伏線めいたモノもありますし、続刊に期待です。


http://d.hatena.ne.jp/MaxMixMaelstorm/20060326/p4や    http://d.hatena.ne.jp/MaxMixMaelstorm/20050825/p2で以前にもご紹介したほのぼの子育てファンタジー(違ってないから困る)、「コーセルテルの竜術士物語」の5巻目です。
 今回は主人公一家の出番は少なめ、他の竜術士一家のエピソードが大目ですね。
 すちゃらか地竜術士(失礼)ランバルスさんちのしっかり者、ユイシィのトレードマークである擬音「キビッ」が、弟たちと共に揃って出たのに笑いましたw


[rakuten:book:12081654:detail]
 こちらもhttp://d.hatena.ne.jp/MaxMixMaelstorm/20051126/p3でご紹介済み、「足洗邸の住人たち。(7) (Gum comics) [ みなぎ得一 ]」の、初回限定版ー。本来私はおまけ付きな初回限定版ってのにはあんまり興味はないのですが、これは今までのみなぎ得一作品のデータブックが付属するというので迷うことなく購入。
 内容のほうはといえば、ついにながらく引っ張った「太大編」が完結、邸を離れていた義鷹も帰ってきました。「太大編」で終わっちゃうかなーと心配してただけに、連載が続いてて嬉しい限り。とはいえいくつかの謎が明かされ、いくつかの厄介ごとがのこり、いくつかの明かされてない謎もあって、これからどーなることやら。


 ま、そんなカンジです。